大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和29(オ)867 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人箭柏卯行の上告理由第一点について。

所論(1)の「DはEの弟であるから、当然同人の相続人に選定せらるべき順位

にあるものであつて」との原判示は、Dが当然Eの家督相続人に選定せられる者で

あるとするものではなく、原審挙示の証拠により、Eに法定又は指定の家督相続人

がないことを前提として、Dが被相続人の弟として、旧民法九八二条所定の第二順

位において選定家督相続人たるべき地位を有する旨を判示するものと解すべきであ

るから、この点を捉えて同条の解釈を誤つた違法ありとすることはできない。

所論(2)指摘の原判示は、所論借地権の譲渡につき、Dにおいて、Eの家督相

続人として選定されたならば、約束の時に遡つて効力を生ぜしめる趣旨で被上告人

との間に約束されたものであることを判示したものと解せられ、そしてかかる約束

を違法とする根拠はないから、右約束に基ずき、昭和一七年八月中に、Dから被上

告人に本件借地権の譲渡があつたものとする原判示には、何等所論の違法はなく、

また所論旧戸籍法一二五条一七六条の規定あればとて、Dの本件家督相続人に選定

せられた年月日またはDがその事実を知つた日を必らずしも所論の日時と断定する

根拠となるものではない。けだし右一七六条自体法定期間内の届出なき場合あるこ

とを前提とした規定であり、且つ同条過料の制裁あればとて、その実体行為の効力

に消長を来すものとは解せられないからである。

論旨はすべて理由がない。

同第二点について。

所論は理由不備をいうけれども、実質は原審の証拠の取捨判断に対する非難に帰

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着し、適法な上告理由に該当しない。なお論旨引用の判例は本件には不適切のもの

である。

論旨は採ることができない。

よつて、民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、主文のとおり判決する。

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 栗 山 茂

裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

裁判官 谷 村 唯 一 郎

裁判官 池 田 克

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